耳掃除は気持ちが良い。思わず声が「あ~ あ~ん」と出てしまう。世の中にある気持ちいいランキングでもベスト3に入るのではないだろうか。
気持ちいいランキングの1位には触れないが、ベスト3はどれも気持ちいい。
しかし、耳掃除をしなくても良いとテレビで医者が話していた事を思い出したが本当なのだろうか。
ネットで検索しても綿棒などで耳の穴を掃除することは良くないと記事に書かれていた。実際に綿棒を販売している会社でも綿棒は耳の周辺を掃除する物で耳の穴には突っ込まない様に注意換気しているらしい。
耳垢に守られる耳穴
耳垢は本来は耳の穴を守るために存在しているらしく、余分な耳垢は自然と排出されるらしい。耳かきをすることで耳の穴を守るための耳垢がはぎとられてしまうだけでなく、耳垢を耳の奥に押しやってしまう可能性があり、耳鼻科医としてはお勧めしていない様だった。
でも耳かきは非常に気持ちがいい。止めることが出来ない。手軽にできる為、ほぼ毎日耳かきをしてしまう。
そんな私でも3年間ほど耳かきをしていない時があった。それは、はるか昔の独身時代の話だ。
耳かきの無い時代
社会人なりたての私は一人暮らしをしていた。身の回りは最低限の生活用品しかなかった。疲れ切って会社から帰り、風呂に入った後、耳の穴がかゆくなる。だが耳掃除をできる器具がない。わざわざお店に行くことも。億劫だ。耳のかゆみを我慢して眠りにつく。そんな生活を繰り返していた。
耳がかゆくなるのは、いつも帰宅後だった。リラックスした状態になると耳のかゆみを思い出す。その時以外は耳のかゆみを忘れているため、買い物に行っても綿棒や耳かきのことなど頭の片隅にもない。
そんな事を繰り返すうちに月日は流れ3年が経ってしまった。いつもの様に風呂上りに耳がかゆくなり我慢して寝ようとした時に、粗品でもらった耳かきの事を思い出した。
ちょうど下の様な商品にへら型と呼ばれる耳かきだ。
机の中に入れたままの粗品を取り出し、中から耳かきを取り出し、おもむろに耳の穴に挿入した。
ガガガ・・ゴゴゴッサ ガッサ
ゴッソ ゴッスソ
想像以上の雑音が耳の中で鳴り響いた。大きな虫が耳の中をもがいているような音だ。
恐る恐る耳かきを穴から出してみた。すろと、とんでもなく大きな耳垢がごっそりとこぼれ落ちた。
なんじゃこりゃー!
塊の大きさに驚きの声を上げてしまった。消しゴム付き鉛筆の消しゴムサイズの耳垢がごっそり出てきたのだ。
驚きの余韻に浸るまもなく、耳かきが反対の耳へと私をいざなう。
ガガガ・・ゴゴゴッサ ガッサ
ゴッソ ゴッスソ
またしても大きな音が耳の中でこだまして先程と同程度の大きさの耳垢がでてきた。
何と言う爽快さだ。耳の聞こえ具合は変わらないがよく聞こえる気がする。その後耳かきの先端についている綿状の部分で耳に残った細かなカスをこそぎ落とした。
ちょうど行為を終えた後のように何とも言えないスッキリ感と心地よい疲労感で満たされていた。
その後は、粗品で耳かきをもらう機会が多くなり、部屋のあっちこっちに耳かきが置かれるようになった。そして、粗品の耳かきでは飽き足らなくなり、様々な耳かきを購入しては試すのであった。
耳垢のあるべき姿
そんな甘酸っぱい記憶を呼び起こしていたが、先の耳鼻科の話では、耳垢は耳の穴を保護するためで、余計な耳垢は排出されるとのことだった。
確かに耳の穴が塞がるほどに耳垢が存在していたから、耳穴のガードは完璧だろう。しかし、余計な耳垢は排除されていないではないか。排除されるどころかたまる一方だったではないか。いや、溜まっていた状態が本来の耳穴としてあるべき姿だったのか。
その辺は良く分からないが当時付き合っていた女性に耳を掃除させなくてよかったと思う。絶対に不潔男と思うだろう。耳穴が汚いからフラれたなどカッコ悪すぎる。
何事もほどほどが良いのだろう。耳掃除のやりすぎは良くない。しかし、放置も良くない。そんなことを考えながら耳掃除をするのであった。
最近使っている耳かきは下の写真のよなやつだ。棒に対して円周上に耳垢をひっかける部分がある。このタイプの耳かきに出会ってからヤミツキになってしまった。
以上、耳かきはダメ?耳垢で守られる耳穴。耳掃除は傷つくらしいよ。でした。