よつば君

夜は気持ちが落ち着く。すべてが静かだ

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休職を要すとの診断結果が出てから数時間が経過した。

今日、病院を受診したは休みを取っていたからだ。

私の会社では社員全員が一斉に休み休日は年間で数日しかなく、交代で休みを取っている。

従い、休みの日でも出社している社員から容赦なく携帯には業務連絡が入る。

クレームの電話。進行中の案件の電話。

取引業者からの電話も多い。

休みでも気持ちが休まらない。

いつ鳴るか分からない携帯に怯えている。

これもうつ病の原因の一旦かもしれない。

夜は気持ちが落ち着く。

今は少し気持ちが落ち着いている。

たぶん夜だからだろう。

携帯電話への業務連絡がほとんどないから。

冷静に診断結果も受け止めることができる。

結局一人きり。

昨晩も落ち着いて仕事ができていた。

朝方の体調不良が嘘のように働ける。

山のようにある業務を片っ端からこなしていた。

気を張っていたせいもあるだろうか。

同僚が帰宅したのは22時ぐらいだった。

そこから一人で黙々と事務作業をしていた。

机の上に山積みにされた書類に目を通していた。

既に提出期限が過ぎている書面を急いで作ったり、

遅れに遅れている見積もりを作成したり、

業者に何度も催促されている手配書を準備したり、

結局作業が終わったのは深夜の2時だった。

終わったというか、切り上げたと言った方が正解だろう。

1/3ぐらいが終わっただけだから。

朝の9時から仕事をしているから17時間働いたことになる。

 

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家に着いたのは深夜3時

結局、家に付いたのは深夜の3時だった。

食欲もなく、眠くもないので、テレビを見ていた。

画面に映る映像、音声、何も頭に入ってこない。

でもいい。

何も考えなくて済む。

人の気配がしたので振り返ると家内が立っていた。

表情が冴えない。

何かあったか聞くと、

お願いだから病院へ行ってと言われた。

その言い方が尋常ではなかったので、気迫に負けて病院に行くことに渋々同意した。

 

家内の声が大きかったのか、娘が起きてきた。

心配そうな表情だった。

「お父さん どうしたの?」

家内が「お父さんがサンタさんにプレゼントをお願いしてたの」と答えた。

そう言えば、もうすぐクリスマスだった。

笑顔になった娘が「ありがとう」と言ってきた。

 

サンタにお願いするどころか、家族を不幸にするかもしれないのに。

自分の事しか考えていないダメな父親なのに。

 

そんな娘の笑顔を見て、腹をくくった。病院に行くことを決めた。

こんな事でもないと、病院に行かないだろう。

 

受診して良かったと思いたい。良かったと思えるようにしたい。

それには、明日、会社に診断書を渡さなければならない。

 どんな回答が返ってくるか分からない。

とにかく、心からの笑える日々を取り戻したい。

 

今、20時を少し回ったところ、娘が「プレゼントは何を願いしたの?ちゃんとお願いしたの?」としつこく聞いてくる。

 

サンタさんへ

プレゼントはいりません。

家族を守ってください。

 

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